温故知新、的な【パルミジャーニ・フルーリエ】The Toric Capitole

一瞬、これは一体どんな発想なのか?と考えた。
2019年SIHHで発表された、パルミジャーニ・フルーリエのユニークピース。

The Toric Capitole.jpg


あーなるほど。。クラシックなウルヴェルク。
ミニッツリピーターとの組み合わせ。

こういうギミックに惹かれてしまうのは、時間を表示するという目的に対して、 いささか変わったアプローチを試みる姿勢に興味を惹かれるから。

機械式時計の醍醐味とも言える超絶複雑機構。

腕時計を超えるために【MB&F】オロロジカルマシーンNo4 サンダーボルト

リーマンショックもなんのその、好調セールスのマクシミリアン・ブッサーさん率いるMB&Fからオロロジカルマシーンの新作が出てます。

今回は手巻きってことでさすがにグレンダイザーのローターはないんですが、サンダーボルトっていう名前は相変わらずアニメチック。(マクロス?そーいや天才パイロットもマクシミリアンだった。。筋金入りのジャパニメーション好きらしいからありえるかも、と思ったんですが文字盤デザインからすると航空機からと考えるのが順当か。。)



実に複雑な形状のムーブメントですが、超複雑コンプリケーションっていうワケでもない。
では、「何故にこれが売れるのか?」。

私の仮説は「Horological Machine」というネーミングに集約されたコンセプトの単純明快さにある、とみてます。

そもそもブッサーさんの狙いは「腕時計とは呼びにくいような既成概念を打ち破った装置を作って売る事」。
Horological Machine > Watch
という図式を顧客のアタマの中に作る事ではないんでしょうか?

そう考えるとこのネーミングは戦う前に勝利を決めたものとも言え。

しかも結構わかりやすいアピールポイント。
加えて一から手作りムーブメントで、納期&アフターセールスの不安なし!

仰天腕時計をつくるとこは、他にも幾つかありますが、ココまでブルーオーシャン戦略を完遂した例は古今未曾有。

なにが仰天ってそこが仰天デスよ、ブッサーさん。。
タグ:MB&F

アラン流アールヌーボー【MB&F】ホロロジカルマシーンNo2.2

元ハリー・ウィンストンの時計部門のディレクターだったマキシミリアン・ブッサーとその友によって作られるホロロジカルマシーンは、アラン・シルベスタインとの邂逅により8本だけのスペシャルバージョンがつくられる模様。2-2-watch.jpg二人に共通するのは、ウォッチメイキングに芸術性を見る事、だと思うのだが。。

機械式時計に蓄えられた時刻表示の多様性に自らの生そのものを重ね合わそうとしているかに見えるブッサーさんと、「子供の目」を失わず、革新的な造詣にチャレンジし続けるアランさん。

歩んでいる方向性は、いわば真逆ともいえるのでしょうがそれ故にこのコラボはなかなか見所があるかも。

機構=ハードをMB&Fが司り、デザイン=ソフトをアランさんが仕上げている融合の一本。
ウィットってものを纏った様に見えるのは私だけでしょうか?

アラン・シルベスタインをもっと知る

2008年度の覇者は文句無くこの人

この世で最もナンセンスな概念、それは「景気指数」。。
そういわんばかりに今年もGrand Prix d'Horlogerie de Genève※の第八回授賞式は盛大に行われているわけですよ。

冒頭、去年のグランプリ受賞者であるリシャール・ミル社長のインタビューから始まって、注目すべきはスポーツ部門でタグホイヤーのキャリバー36のグランドカレラ※が受賞していること。もうコンセプトモデルではない、ということでしょうか。



今年の受賞はF.P.ジョルヌさんの
サンティグラフ※

まあコレ出されると、ちょっと太刀打ちできんものがある。。

その他の受賞はコチラ

スターサイドコレクションやピアノフォルテ、C1トゥールビヨンはちょっと意外な気がしました。
レベルソ・ジャイロはまあ、そりゃとるわな。

個人的に拍手を送りたいのは当サイト掲載機種では現在唯一のクウォーツ時計、マジックアワー※の受賞。
アイディアとエレガンスの融合がエクセレントですわん。

名工の布陣【GOLDPFEIL GENEVE】ゴールドファイル・ジュネーブ

ゴールドファイル、といってもやっぱり思い浮かぶのは革カバンであって、機械式時計にはあまり関係なさそうですが。。→ゴールドファイルのバッグ
(現在では、ユングハンスの輸入元がココの日本法人)

最近あまり活動してない模様ですが、ゴールドファイルには独立時計師協会メンバーとのコラボ企画によるウォッチメーカー、ゴールドファイル・ジュネーブがあります。

こちらが本社サイト
何がスゴいってこのメンバーが。。
○スヴェン・アンデルセン
○ヴィアネイ・ハルター
○アントワーヌ・プレジウソ
○ウルヴェルクのバームガルトナー兄弟
○ブルーのベルナルド・レデラー
○現ブランパンのヴィンセント・カラブレーゼ
○この人は知らないんですがフランク・ジュチ

と、ハリーウィンストンのオーパスシリーズとも見劣りしない陣容。

もともとゴールドファイル自体が「どんな高度なテクノロジーも職人の感性には劣る」という事を会社の哲学として持ってきたところ故にこれほどの陣容となったのでしょう。

哲理そのものを会社の経営に置き換えてしまうところがドイツ人らしい。。

個人的には再飛躍を望みマス。。

時の連環の完全な姿【PIERRE KUNZ】ピエール・クンツ インフィニティ・ルーピング

時計というものは、場合によっては個人の考える「時間の姿」というものを映し出したりするものなわけですが。。

infinity-looping.jpeg以前からワンハンドモデルの持つ「時間の非分割性」というものに魅かれていた筆者にとって、このピエール・クンツさんのインフィニティ・ルーピングはある意味衝撃的デス。。

花が開いたかのようなぐるぐる渦巻きの表示を折れ曲がりながら赤い先端が表示していく、という「いまだ誰も考えなかった」表示方式。

感動したキヒラ デザイン ウェブさんとかはこの表示方式をわかりやすくするためのフラッシュムービーまでつくちゃってる、という。。

キヒラ デザイン ウェブさん製作のフラッシュムービーはコチラ

分表示まで可能な変則ワンハンド、と考えるのが妥当かと思われマスが、偶数と奇数の時間のインデックスを二重の同心円にすることでルーピング、というのは、レトログラードに哲学性を見いだしていたクンツさんならではの発想なのでは?と。

薄ぼんやりと「時間とは曼荼羅のような姿をしているんだろうなあ」とか考えていた筆者には、そのものズバリを見透かされたかのような衝撃デス。。

「ピエール・クンツ」の検索結果

遊ベル重鎮【ANDERSEN-GENEVE】Montre à Tact Poker

スヴェン・アンデルセンさん、といえば独立時計師の草分け的存在であり、いわば今日独立時計師が自由に創作できる礎を築いたパイオニア、でありマス。。

永久カレンダーの権威でもあり、品の良いワールドタイマーや個性的なレトログラード、オート・マタ搭載モデルもあるのですが、意外にディスク回転型の針無しノーハンドにも凝った作品が多くあったりします。

andersen2008.jpg近年も積極的に新作を発表しており、その境地はもはや円熟を超えて「遊び」の領域。。

わんちゃんがポーカーしている文字盤の下にカードの絵が流れてくるノーハンド。

時計論、というとややもすれば眉間に縦じわを寄せつつ、昨今の市場爛熟を悲憤する向きもあったりするのですが、コレは「まあ、そんな肩肘はらんと。。」と穏やかに語りかけてくる様な気がするんですよね。
スヴェン・アンデルセンさんをして、デス。。